喫茶ほっとの当事者研究会について
1.当事者研究とは
当事者研究とは、北海道浦河町の精神障害者団体「べてるの家」から始まった、生きて行く上で避けられないあらゆる苦労や生き辛さについて、自らがその苦労の主役となり、仲間と共に研究していこうという取り組みです。
「自分自身で、ともに」「弱さの情報公開」「前向きな無力」「言葉を変える 振る舞いを変える」「研究は頭でしない 体でする」などなど多くのユニークな理念があります。
2.喫茶ほっとの当事者研究の歴史
喫茶ほっとでは、2006年にべてるの家に見学・研修旅行に行ったのをきっかけに翌年からフリートークの「ナギーの会」と「HELP ME!研究会」が始まりました。その後、これらの会の参加者が、当事者研究に関する本を読んだり、各地の当事者研究に参加したりして、当事者研究の理念ややり方について学び、少しずつほっとなりの当事者研究会の形を作っていきました。
3.喫茶ほっとの当事者研究会のスタイル
喫茶ほっとの当事者研究会は、現在は毎週金曜日に開催しており、原則として喫茶ほっとに通っている方のみが参加出来る形式になってい
ます。
ウォーミングアップ(全員で、名前・自己病名・よかったこと・苦労してることの報告)をしてから、苦労している事がある人が「お題」を出して研究し、「新しい自分の助け方」を研究していきます。
流れはその時によっていろいろですが、「よい解決方法をみつける」ということよりは、なによりもまず「相談できる仲間が居ること」「何か試せる方法を考える」ことが大事だと考えています。それが「孤独感」や「無力感」を吹き飛ばす力になれば。
特にお題が無い時にはフリートークで様々な話題を話していきます。
4.研究の手順
いつも同じパターンというわけではありませんが、「お題」が出された場合は以下の流れを意識しながら進めています。
①苦労の状況報告:
お題提出者から、苦労の状況について報告してもらう。
②みんなから質問:
苦労の内容について詳しく知る為に、みんなからいろいろと質問していく。
③苦労のパターン分析:
この苦労についての構造や、パターンなどについてみんなでアレコレ分析していく。
④みんなのアイディア:
お題提出者の「新しい自分の助け方」について、参加者が思い思い「無責任」に新しい方法を提案していく。
⑤新しい自分の助け方:
お題を出してくれた方が、みんなのアイディアの中から自分が試してみたいもの、やれそうなものを選び、持ち帰って試してみる。
⑥実験報告:
後日、機会があれば「新しい自分の助け方」を試してみた人がその実験結果について報告する。